はじめに

みなさんこんにちは!ECタイムズの本田です。

 最近、弊社サービス(ECのプロ)に事業者さまから「新規顧客の獲得ができない!!」というお悩みが多く寄せられています。競争が激しいEC業界においては新規顧客の獲得はもちろん、その戦略を練るために常に顧客の声に耳を傾けることは、そう簡単なことではありませんよね。

 その中でも競争の激しい食品業界において独自の販促モデルを確立し、新規顧客獲得数を2倍に引き上げたブランドがあります。それは皆さんもご存じ「Oisix」です。その成功の立役者となったのが今回の主役、吉川賢治さんです!

吉川さんのご経歴

 吉川さんは、デジタルマーケティング支援会社など複数の企業で勤務された後、オイシックス・ラ・大地株式会社大地を守る会事業本部でプロモーション室室⻑を担当、現在はGreenSnap株式会社にて食品メーカーにてEC事業を担当されています。

 Oisix時代には、新規顧客獲得数の増加や顧客受注率の170%成⻑を達成、さらにUIの改善により半年で新規顧客獲得数を倍増させ、獲得コストを30%削減するなど、実績を持った方なのです!

 今回は、そんな新規顧客獲得のプロである吉川さんに、新規顧客を獲得するための戦略の立て方やコミュニケーションノウハウについて、具体的な事例を用いてお話しいただきました!

 新規顧客獲得や、顧客とのコミュニケーションでお悩みの方、オイシックスの成功ノウハウを知りたい方、ぜひ最後までお読みください!

新規獲得には商品力×訴求力

 EC事業者にとって最初の壁となる、新規顧客の獲得。

 自社のサービスを知らないお客様を呼び込むには何が必要なのでしょうか。その戦略を立てる際のポイントと、効果を上げるために気をつけるべき点について伺いました。

伝わる組み合わせを見つける

(吉川:以下略)新規顧客を獲得するためには、「商品の質×商品の提供価値×訴求」という3つのパラメーターを意識することが重要だと思っています。

 新規の流入を増やすために、新しい広告チャネルで広告を出したり、広告チャネルの配信量を調整するなど、販促の中でもチャネル戦略に力を入れることは確かに必要です。

しかし第一に重要な点は、自社の商品の価値をどう伝えるべきなのかといった「訴求」のポイントを探ることです。

そのためには、そもそも商品自体がお客様の課題を解決できる商品なのかといった「商品の質」、それがお客様のどんな価値になるかといった「商品の提供価値」、そしてそれを具体的にどう伝えるかといった「訴求」に整理する必要があります。

 販促チャネルの戦略を考える前に、「商品の質×商品の提供価値×訴求」という3つのバランスを調整し、効率の良く価値を伝えることができる「伝わる組み合わせ」を見つけることが大事になります。

 この組み合わせを一度見つけることで、お客様に伝わりやすく費用対効果の高いコミュニケーション方法を見つければ、事業計画における販促活動のプランも組みやすくなり、事業規模の拡大にも繋げやすいと考えます。

適切にKPI(重要業績評価指標)を設定する

 戦略を作るにあたって重要なのが、「適切なKPIの設定」だと考えます。

 例えば、Oisixでは同じSNSでもコミュニケーション目的の運用と規獲得のための広告ではそれぞれ別の評価軸を与えて戦略を立てていました。なぜなら、広告においては費用対効果を常に突き詰めていく必要がありますが、コミュニケーション目的でも同じKPIを採用すると、どうしても費用対効果の低い方の優先順位が下がってしまうからです。

 SNSの運用は広告と異なり売上への影響を単純に計れいため、優先順位が落ちてしまいがちですが、事業への良い影響を生み出すことも多くあります。

 例えば、SNSを活用するメリットとして、お客様のUGC (User Generated Contents=口コミ)が増える、という点があります。口コミが増えれば増えるほど、お客さんが身近な人に利用を勧める→商品の検索数が増える→買ってくれるお客様が増える、という好循環が生まれます。この循環を生み出すには、お客様の自発的な投稿をいかに増やすかを戦略的に考える必要があると考えます。

 実際に、UGCが増え出したことによって、広告費を上げなくとも指数関数的に売り上げが上がっていくケースはありました。全体として成果を上げるためにも、コミュニケーションと広告のそれぞれの目的に合わせて柔軟にKPIを設定することが必要だと思います。

訴求力を上げるユーザーとのコミュニケーション

 ここまで新規顧客を獲得するためのメソッドを学びました。

 ここからは、新規顧客獲得数を倍増させた広告戦略がどのように生まれたのか、実際に吉川さんが取り組まれた事例をもとにお話いただきました。

事例①顧客のSNS投稿を広告素材として活用

(吉川:以下略)Oisixは、もともとSNS上にユーザーの投稿画像が沢山上がっていました。そこでサービスをより身近に感じてもらうために始めたのが、投稿画像を投稿された方の許可をもらった上で、広告素材として活用するという方法でした。

 実際に広告を配信したところ、反応はかなり良く、広告の獲得効率やCVRが大幅に上がりました。

 さらに、広告素材だけでなくLPやサイト内のコンテンツとしても利用したことで、お客様にサービスをより身近に感じていただくことに成功しました。

 EC事業者が新規顧客にアプローチする際は、サービスの価値をいかに感じ取ってもらうかが何よりも重要です。しかし、企業が撮影したプロモーション用写真だと自分ごと化しにくいなど、体験できる価値が伝わりにくくなる一面もあります。

事例②ユーザーインタビューの実施

身近なお客様に声をかける

 ユーザーインタビューをしたほうがいいと考えてはいても、そもそも実施方法やコストがわからないという人が周りでも多くいらっしゃいました。リサーチ会社への依頼が必要なのでは、多額のコストがかかるのではというイメージを持っている方もいらっしゃいました。

 EC事業はお客様との直接の接点が多いサービスです。声をかければ繋がれるような多いサービスはサービスや商品の周りに既にいるのではないでしょうか。最初はSNSやメルマガなど、手持ちのツールを使って募集をしてみましょう。それだけでも、インタビューを受けてくれる人は集まってくれるはずです。

自社の課題に併せて質問項目を練る

 次の段階として、「インタビューによって何を得たいのか」を明確にしましょう。今抱えている課題は何か、その解決に向けて何を聞きたいのかといったように、課題に合わせた質問項目を作成するのが良いでしょう。

 課題を明確にしておくことは、聞き手が望む答えを期待するかのような、恣意的な質問をしてしまうことを防ぐ上でも有効です。

 また、聞きたい内容はある程度絞った方が良いでしょう。脱線した内容からヒントが得られることもあるため、あまり質問内容を固めないことも得策です。

ユーザーの声を施策に落とし込む

 ここでのポイントは、インタビューで得られた意見を、いかにコミュニケーションに落とし込むことができるかです。

 実際にユーザーインタビューをしてみると、企業側も思い込みで動いている部分が多いと気づかされます。

 例えばOisixでは、当時ミールキットという一食分の食材をセットにして販売するサービスを提供していました。企業としては食事の準備が「時短になる」ことが提供価値だと感じていました。しかし実際にインタビューをしてみると、「献立を考えなくていい」とか「買い物に行く手間が省ける」とか、様々な意見が出てきます。

 それによって、今まで気づいていなかった提供価値を見出せただけでなく自社の戦略を振り返るきっかけにもなりました。結果的にお客様とのコミュニケーションの仕方も変化してきました。

 意見を施策にうまく活用できれば、広告の反応率が上がるなど効果が目に見えて現れます。

 単に企業側の意識が変わるだけでなく、具体的なソリューションにつながるように仮説や課題を元にユーザーインタビューを行うことで、事業の成長に繋げることができます。

おわりに

 ここまでOisixやその他のEC事業での経験をもとに、新規顧客の獲得のための戦略の考え方や、お客様とのコミュニケーションの取り方についてお話してきました。

 もちろん細かい戦略は、事業の領域によって異なります。まずは基本的な考え方をおさえたうえで、ご自身の事業にあったコミュニケーションの形を追求していきましょう。

 いかがでしたか?

 新規顧客を獲得する上での吉川さんの方法は、どれもシンプルで理にかなっていましたね!

 吉川さんのような新規顧客獲得のプロに相談したい方、自分の事業に合った細かい戦略を知りたい方、是非こちらのフォームからお問い合せください!新たな顧客を得るヒントがきっと見つかります!