商品マスタとは?適切な管理方法や作り方の注意点を解説

2024-02-09

商品マスタとは?適切な管理方法や作り方の注意点を解説

多くの商品を販売しているEC事業者にとって、重要となるのが商品マスタ。自社で取り扱う商品の情報をまとめたデータで在庫管理や事業運営に役立つものですが、これから事業を始める方にとってはあまり聞き慣れない言葉なのではないでしょうか。

この記事では商品マスタとはどのようなものか、その種類や適切な管理方法などについて説明します。

商品マスタとは

商品マスタとは商品に対して商品名や商品コード、型番、取引先などの情報を割り当て、データベースやシステムに登録し商品管理などに活用するものです。物販業界は仕入れ先や販売業者、物流業者など商品を流通させるために様々な事業者が関わっています。それらの人々がどの商品かひと目で分かるように、コード化したものが商品マスタなのです。情報を一元化することで、効率的な在庫管理や販売管理などが行えます。

たとえば「腕時計A01」という名前の商品があるとします。店舗やモールごとに商品マスタを作成してしまうとAmazonで「腕時計A1」、楽天市場で「腕時計エー1」、Yahoo!ショッピングで「腕時計a01」など、英語やカタカナの表記が違ってしまうことも考えられます。これでは物流業者には同じ商品かどうかの判別は困難です。特定に時間がかかれば配送の遅れなど、トラブルの原因につながる可能性があります。商品を円滑に流通させるためにも、商品マスタの作成は重要です。

商品マスタの種類

では、具体的にどのような情報が必要なのでしょうか。商品マスタに登録する内容を「商品情報」「仕入れ情報」「その他詳細情報」の3つに分け、どのようなものを登録できるか具体例をみていきましょう。

商品情報

商品情報とは商品の基本的な情報を認識するためのものであり、以下のものがあげられます。ちなみにこれらの情報はデータベースに登録しておくべき必須項目です。

・商品名
・商品ID
・JANコード
・ISBNコード
・型番

商品名、商品ID、型番は事業者が商品を管理するための番号、そのほかは商品や書籍などの識別に用いられる番号です。「JANコード」はどこの国のどんな事業者が出している商品かを見分けられるコードで、通常はバーコードで読み取れるようになっています。Japanese Article Numberを略したもので、GS1コード、商品アイテムコード、チェックデジットというものを識別できる13桁の番号で構成されています。

「ISBNコード」は、International Standard Book Numberを略したもので、国際標準の図書番号として出版物に使用されます。一般的には本の背表紙に番号やバーコードで表記されています。また、出版物に対して日本が独自に分類した「日本図書コード(書籍JANコード)」と呼ばれている国内基準もあります。一般的な商品に使用されるJANコードとは異なるものです。

もう一つ「ASINコード」というコードもあり、Amazon Standard Identification Numberという意味でAmazonが独自に発行しています。ブランド商品を識別し所有者以外が出品できないよう保護する目的で作られています。

仕入れ情報

仕入れ情報は以下のようなものがあげられます。

・仕入れ先における商品ID
・商品名
・発注ロット
・納期
・原価
・仕入れ先の販売実績

仕入れ情報を登録しておくと、仕入れ先との取引内容や在庫管理、販売管理に役立ちます。取引金額や数量、支払い条件、納期などが分かれば販売価格の設定や仕入れ時期の目安になります。またこれらのデータを蓄積できれば、取引や販売の見直し・改善などの分析に活用することも可能です。

その他詳細情報

詳細情報は商品の具体的な特徴を認識できる情報で、以下のようなものがあげられます。

・商品のカテゴリー
・商品のサイズ
・入荷日
・価格

商品のサイズが分かれば、注文があるたびにサイズを測り梱包材を用意するという手間が省けるため、スピーディーに発送することが可能になります。また販売価格を管理することにより過去との比較、セールイベントの価格設定などにも役立てることも可能です。

商品マスタの適切な管理方法

商品マスタは商品情報が集約されているため、管理も適切に行わなければなりません。作成にあたっては、以下の点を意識しながら行いましょう。

登録方法や手順をルール化する

採用する番号のルールを決め統一します。たとえば「商品コードは15桁まで」「販売先はアルファベット2文字」「配送業者はヤマト運輸ならY、佐川急便はS、日本郵便はNとする」など。管理担当者が複数いる場合は、桁数や内容の表記順序などを決めて担当者ごとに共有し、商品マスタに必要な内容を表記すると、取り扱う商品が増えてもバラバラにならず、管理しやすくなります。

商品マスタを定期的に見直す

商品マスタは一度作ったら放置するのではなく、販売する商品内容の変化に合わせて定期的に見直すことが大切です。たとえば出品を停止した商品IDなどが混じっていると、ほかの商品と間違えて使用してしまうことも考えられます。クレームやトラブルにつながる可能性があるので、常に最新の情報に更新するよう定期的にチェックを行いましょう。

登録・更新は時間をかけて正確に行う

データベースを作成するのは簡単ではないため、時間をかけて取り組むことが大切です。事業としてどんな情報が必要か、どのような情報があると在庫管理や配送の業務がスムーズになるかなど、優先順位を立てながら作成していくとよいでしょう。

商品マスタ管理の作り方

商品マスタを管理するためには、誰にでも見やすい、分かりやすい、そして将来を見据えて拡張しやすい表記にすることが大切です。商品マスタを作成する上で欠かせない商品IDの作り方をみていきましょう。商品IDを12桁に設定した場合、商品名、登録日、仕入先、納期、配送業者、通し番号の順に作成していきます。

商品名:メンズウォッチ
登録日:2024年1月14日
仕入れ先:プロ・EC株式会社= P
納期:2週間= 2W
配送業者:ヤマト運輸= Y
通し番号:01

メンズウォッチ202414P2WY01

このような情報を入力しておくことで、この商品はいつ、どれくらい売れたかなどが可視化され次の仕入れ情報などを精査するのに役立ちます。商品IDの桁数には注意も必要です。たとえば1,000個の商品がある場合、通し番号は01では足りないため0001とするほうが適切です。中期的に多く販売する予定がある商品は、商品IDの桁数を調整しやすいように決める必要があります。上限を考慮しながら柔軟に対応できるIDを作成しましょう。

まとめ

商品マスタを整備し管理できるようになれば、作業ミス、配送ミスの軽減につながりサービスの向上や収益アップにつながります。商品マスタを作成して、より戦略的なECサイト運営を行いましょう。

ECのプロでは、これからECサイトを始める方や運営に悩んでいる方、売上アップや事業拡大を考えている方まで幅広くサポートしています。実績のある専任の担当者がこれまでの知見を生かし、ECサイトの設計やマーケティング、セール対策などのアドバイスを行っています。無料相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせはこちら

ECのご相談はこちら

記事で紹介されているプロとのご面談や、より詳細なノウハウのご共有、ECのプロのサービス説明を
ご希望の方は、下記よりご連絡ください。担当者より1営業日以内にご返信差し上げます。

セミナーのお申し込みはこちら

満員御礼 本セミナーは終了しました

この記事をシェアしよう

ユニークユーザーとは?計測方法や似ている指標、増やす方法を解説

5/9/2024

ECサイトに必須!商品梱包のポイントや顧客満足度を上げるコツを紹介

5/7/2024

【顧客情報を守る】ECサイトにSMS認証を導入しよう

5/2/2024

EC事業で年商10億円以上を目指す! 3大モール攻略法

5/28/2024

【美容・ヘルスケア事業者向け 】誰かに“紹介”したくなるブランド作り×コミュニケーション戦略

5/23/2024

アクセス数を急増させる! ECサイトへの集客ノウハウを大公開

5/17/2024