OEMとは?OEMの基礎やODMとの違い、メリット・デメリットを解説

2023-12-08

OEM(Original Equipment Manufacturer)は、自動車やアパレル、化粧品など大手企業を中心に普及していったビジネスモデルです。近年では中小規模事業者、個人事業主など業界や企業規模にかかわらず幅広く活用されるようになりました。

効率的な製造・生産が行えるだけでなく、オリジナルブランドを訴求する戦略の一つにもなっていますが、OEMにチャレンジするためには正しい理解が必要です。

この記事では、OEMとは何か、どのような種類があり、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

目次

OEMとは?

OEMとODMの違い

OEMの種類

ブランド側が委託する

OEMメーカーが提案する

OEMのメリット・デメリット

メリット

デメリット

まとめ

OEMとは?

OEMとは、Original Equipment Manufacturerの略で、製造を委託されたメーカー(OEMメーカー)が、自社のブランドとしてではなく相手先のブランドとして商品を作ることを指します。

もう少し分かりやすく説明すると「A社(OEMメーカー)が製造して、B社(ブランド側)がB社ブランドとして販売する」というビジネス形態になります。

OEMの代表的な例に挙げられるのが自動車業界で、スズキやダイハツがOEMメーカーとして知られています。たとえばダイハツが製造した車を、ダイハツとトヨタがそれぞれの名前やカラー、アクセサリーなどを変えて販売しています。

また食品業界でも、スーパーやコンビニエンスストアが独自のブランドを展開していますが、食品パッケージの詳細をみるとOEMメーカーが「製造元」として別に表記されているのが確認できるでしょう。

ほかにも家電や化粧品、アパレル、雑貨など幅広い業界でOEM生産が行われています。

EC事業における化粧品業界のOEM市場や差別化の重要性についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

化粧品OEMについての記事はこちら

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OEMとODMの違い

OEMとODMの違い

OEMと混同されがちな言葉に「ODM」というものがあります。ODMはOriginal Design Manufacturer(オリジナルデザインの製造)と訳されますが、受託側のメーカーが設計や開発にも携わることを意味します。

基本的なOEMは、ブランド側が商品の企画・デザイン・設計までを行い、OEMメーカーがその仕様に沿って製造を行います。一方でODMは、ブランド側が企画し、受託側がデザインや設計、開発などにもかかわり、製造も請け負うビジネス形態です。

OEMはブランド側が主導する形になりますが、ODMの場合は共同で開発を行うため対等もしくは受託側が主導になるケースもあります。もともとOEMやODMは商品によって製造プロセスや方法なども異なり、役割の明確な線引きはありません。そのためODMメーカーの中には、マーケティング業務までを請け負う事例もみられます。

OEMの種類

OEMは大まかに2種類に分けられます。一つはブランドを持つ企業がOEMメーカーに依頼するやり方、もう一つはOEMメーカーがブランド側に提案するやり方です。詳しくみていきましょう。

ブランド側が委託する

一つ目のOEMは、ブランドを持つ企業が商品を企画・開発し、OEMメーカーに製造を依頼するやり方で、受注したOEMメーカーは仕様書に従って商品を製造します。この場合、商品の所有権はブランドを持つ企業側にあります。

このようなOEMは、設備や実績を持たない企業にとっては難易度が高くなります。しかしブランド側にもスキルやノウハウがあればブランドのコンセプトやオリジナリティを追求できるため、有利なOEMといえるでしょう。

OEMメーカーが提案する

二つ目のOEMは、OEMメーカーがすでに開発したもの(あるいは開発中のもの)を「御社のブランド商品として販売しませんか」と提案し、ブランド側が契約・販売する方法です。

このようなOEMは、複数のブランドが商品名を変えて同じものを販売していることが考えられるため、オリジナリティを訴求するには弱くなる可能性があり、一部仕様を変更するなど別に注文をしてアプローチするケースもあります。

一方でブランドのイメージやコンセプトに合う商品であれば、そのまま商品開発の手間をかけることなく販売できるため、取り入れやすい方法になります。

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OEMのメリット・デメリット

OEMのメリットとデメリット

業界や規模を問わず普及しているOEMですが、メリット・デメリットも忘れてはいけません。導入の目的や条件のポイントとなるため、しっかりと理解しておきましょう。

メリット

ブランド側にとって大きなメリットは、施設・設備を持たずに商品を生産できるというところです。特定の専門的な知識や技術を持っているOEMメーカーに依頼することで、設備投資や人員確保などを行わずに、高品質な商品の製造・販売が可能になります。

製造を委託することで、ブランディングやマーケティングなどの販売に注力でき売上アップにつなげることが可能になるでしょう。

さらに、在庫コストを低く抑えることができるのも特徴です。OEMメーカーは、同じ製品を自社で販売したり他社に供給したりすることで小ロットの注文にも対応できるところが多いため、ブランド側は需要の変化に合わせて必要な数を調整できます。

OEMメーカーにとっても、自社のみでなく幅広い供給ができるため安定した稼働と生産量の増加につながり、コストダウンや収益向上などの効果が期待できるでしょう。また、ブランド側にも技術力があるOEMからでは、技術指導を受ける、または双方の技術を共有しあうこともでき、製造技術のスキルアップやノウハウの蓄積などにつながります。

デメリット

一方でOEMは、ブランド側が製造技術を持てないというデメリットもあります。製造を外注する形になるため、自社生産よりも収益は低くなります。

特定の技術を持たない企業の場合、万が一委託先を変えることになっても、知識不足などから別の委託先を探すのが難しくなるでしょう。

OEMメーカーにとってのデメリットは、OEMに依存しているとブランド側の都合で生産量が増減し不安定になるリスクがあること、自社ブランドの認知度が向上せず企業の成長に影響することなどが考えられます。

また、ブランドを持つ企業、OEMメーカーのどちらにもいえることですが、技術指導や情報共有などの協力体制が行われると、技術向上などのメリットがある一方で、情報が流出し将来的にはお互いが競合になる可能性が高くなることも考慮しておきたいところです。

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まとめ

OEMは、自社生産技術を持たなくても小資本で効率よく生産できるビジネスモデルであり、ブランド側にとっても自社のブランド力を向上させる手段の一つにもなり得ます。競合他社との差別化を成功させるためには、自社に合ったOEMメーカーを探すことが最も重要です。

メーカーの技術や実績、条件、商談時の担当者の対応などを精査して信頼できるビジネスパートナーを探しましょう。

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