はじめに

皆さんこんにちは!ECタイムズのみなつです!

今回は、EC専業社である桃源郷株式会社でカスタマーサポート、システム構築、海外直輸入、人事統括、EC事業統括、M&A担当、代表取締役社長まであらゆる役職をご経験され、アルバイト入社より12年半もの間、ECの黎明期を駆け抜けられた武田和也さんのもとへ突撃インタビューをして参りました!その様子をお届けいたします。

武田さんは、多数のEC事業をマネジメントしてきた経験をもとに、EC事業社向けコンサルタントとしてご活躍されている方です。

そんな武田さんに、「EC事業での人の課題」についてお聞きしました!

バイトが社長に!?驚きのストーリー!

きっかけは雑誌の求人

ー今日は武田さんのお話を伺えるとのことで、非常に楽しみにしておりました!どうぞよろしくお願いします!

よろしくお願いします!

ーまずは武田さんと桃源郷の出会いについてお伺いしたいです。最初はバイトから入られたというのは本当ですか?

2005年当時、楽天市場に出店しているのがまだ3000店ほどだった頃、僕はユーザーとして利用していて、面白い仕組みが始まったなとは思っていました。

ある日、バイトを探すために求人雑誌を開いたんですよ。すると「ネットショップの運営の仕事」という文字が飛び込んできました。当時はそんな募集してるのは1社だけでしたよ。元々ユーザー側としても利用していて、面白そうだと思って短期のつもりで応募しました。

ーユーザーだったところから入っていった形だったんですね。でも短期のつもりだったのが、結果的には長年続けられたわけですよね?

そうですね。2005年9月にアルバイト入社をして、2006年の年明けに「今年から社員だからよろしくね」と言われて、勝手に社員にされてたんですよ(笑)

ーじゃあもう、本当に成り行きだったんですね(笑)

完全に成り行きです(笑)

ー最初はそういった動機で入られたとのことですが、お聞きしたところによるとバイト時代からCS用のオペレーションシステムを作っていたとか。なかなかバイトのテンションで、そこまでのことはやる気が起きないんじゃないかと思うんですが、働いているうちに熱意が上がってきたという感じですか?

僕は、自分の役割や職責を越えて割と何でも好き勝手やってしまうタイプなんです。

当時はまだ顧客対応みたいなバックヤード部分はシステム化されてなくて全くアナログだったんです。事業が急激に伸びる中でミスが色々と発生していましたね。

会社全体の基幹システムがfilemakerというソフトで作られていまして、僕が学生の時に少しfilemakerを触ったことがあったので、自分で作っちゃおうと思って、CS向けツールを自作しました。今でも稼働してるんじゃないですかね?

ー凄いですね!こういうことができそうだと思ったらどんどんやってしまう武田さんのお人柄が、桃源郷の発展に活かされているんですね!

東日本大震災の危機を乗り越えろ!

ー武田さんが桃源郷の取締役に就任された後、2011年には東日本大震災がありましたよね。危機的状況もあったかと思いますが、さすがの武田さんもその時には焦りみたいなものはありましたか?

そうですね。それまでは楽天のオークション事業が絶好調だったんですけど、震災を契機にして、それまで無料だったメルマガ送信が有料化されたんですよね。

無料無制限だった頃はメルマガを月に一億通(!)も送っていたんですよ。それが有料となったことで販促費が爆増してしまって「この事業終わったな」と気が遠くなりました。

ーなるほどなるほど。そこからの立て直しの施策が専門店事業?

そうですね。オークション一本足打法では駄目だよねという危機感は2009年のリーマンショックの頃からあったんですよね。そこで次の事業として専門店事業を立ち上げ始めました。

震災当時には3、4店舗持っていたかな。それまでは実験的に細々という形でしたが、震災を機に、ここにしっかりフォーカスしてやっていこうと意思決定しました。

ーそれまで検証していたものを、アクセルを踏んで乗せていったんですね!

2011年には多くの専門店がオープン
出典:lifeit

気づいた、事業者が抱える「人の悩み」

ーその専門店事業により代表就任後3年でV字回復を遂げ、黒字化を達成したと伺いました。正直その3年間が相当大変だったんじゃないかなと思うのですが、紆余曲折ありという感じだったんでしょうか?

紆余曲折というか、もういろいろありすぎてほとんど記憶が無いですね(笑)。とにかく採用採用採用ですよ。当時30人弱だったスタッフを、その3年で50人超まで増やしました。

とにかく成長シナリオ、V字回復シナリオを現実化するために必死でしたね。クォーター毎にバイヤーとwebデザイナーを4、5人程度ずつ採用して、急ピッチで新店舗を立ち上げるものの、うまくいくのは半分くらいで、あとの半分は作っては潰して、人が辞めて…で、それを繰り返すみたいな、そんなぐちゃぐちゃな3年間でした。

ーもうとにかくがむしゃらに動いて、気が付いたら黒字化達成ができていたと。

そうですね。1年目、2年目はとにかく店舗を増やしまくって、その間にオークション事業は潰しました。

3年目になって売上拡大をいったん止めて、利益を出す方向にハンドルを切って、ある程度黒字を確実なものにしていった形ですね。

ーなるほど。そしてそれを見届けて退任されたという流れでしょうか。

そうですね。黒字化を達成して、色々と体制も整えたので、よいタイミングかな、と。

僕は仕事としてはCSから入って、その後は中国に行って物を作ったり、向こうで物流拠点を作ったりもしましたね。

あとは店舗統括だとか採用統括だとかM&A担当だとか、結構ありとあらゆる職種をやってきたと思います。

社長になってからは毎年株主が変わっていたのでそれに伴って社長へのリクエストも毎年変わりましたし、本当に翻弄されましたね。

でも総じて、そうした経験が今はすごく役に立っています。

ー最初にバイトで入られてから退任されるまで、12年半も桃源郷でECの黎明期を駆け抜けられたんですね。

「ECの人の悩み」はだいたいこの4つ!

ーECの上流から下流まであらゆるセクションを経験された武田さんがキーだと思われたのが人材育成、組織開発だというところがちょっと面白いなと思ったんですが、これは退任後に気付かれたことですか?

事業者としての現役時代は、結構めちゃくちゃだったな、と思っています(笑)。今振り返ると、ずいぶん不出来な社長だったなあ、と(苦笑)。人材育成という観点はあまりなかったですね。

退任後、友人知人に頼まれて色々な事業のお手伝いをしている中で、お金をいただく以上は、一番レバレッジが効く貢献は何だろうとやっぱり考えますよね。

正直、業務改善といったような仕事は、多少業務効率が改善する程度で、ビジネスそのものの成長にはさほどレバレッジは無いです。

でも、人が成長する時、特に組織が単なるメンバーの集まりからしっかりとチームになった時に売上がぐっと上がるのを何度か目の当たりにして、事業にとって一番レバレッジが効くのはやっぱり人とかチームにテコをかけることだと確信するようになりました。

ーなるほどです。では「チームにテコをかける」ことについてもう少し詳しくお伺いしてもいいですか?
どういった問題に、どういった方法でアプローチするのかをお聞きしたいです!

まず、EC事業のチームに関わる問題は「マネジメントの問題」と「メンバーの問題」の大きく2つに分けられると思います。

事業者様側でもその2つを切り分けることがまずは大事だと思います。

マネジメントの問題

メンバーが自走できていない

僕のところに相談に来るEC事業者様で多いのはマイクロマネジメントというか、社長が個別に業務だけを指示しているケースですね。社長自らがECで起業したスーパープレイヤーである場合によく見られます。

メンバーがいつも社長の指示待ちをしている状態で、自走していないし、モティベーションも低い状態です。これはメンバーの問題というよりも、マネジメントの問題なんです。

この状態だと、メンバーの人数が増えるにつれて、チームのパフォーマンスの低下を招きがちです。

月の売上予算すら持っていないケースも多いんですよ。

面白いことに、こうしたケースでは、月の売上予算をメンバーに共有するだけで売上が1割くらい伸びるんです。

さらにきちんと目標を設定して役割を決めて、チームとして動かしていけば15%とか20%とか普通に伸びる。そんな感じなんですよ。

予算や目標がチームを自走させる原動力として働くんですね。

ーへぇー!そうなんですね!

EC事業を管理できる上司がいない

逆にメーカーのD2Cパターンだと、そもそもECに知見のある上司がいないケースが多いです。

メンバーはなんとなくオペレーションはこなしているものの、EC事業全体を俯瞰で見れる人材がいないので、適切な課題設定ができず、EC事業が伸び悩んでしまいます。

こうしたマネジメントの問題というのが、EC事業の成長にとってはかなり重い部分だと考えています。

ー我々もご相談いただくことが結構ありますね。マネジメントをする人を教育してほしいだとか、PM的な立場でメンバーをまとめてくれる人がいませんか、だとか。

ここが僕のメイン領域と言えます。経営者・マネジャーにEC運営にふさわしいマネジメント手法をレクチャー・トレーニングしながら、一緒にチームを作っていくという形でお手伝いしています。

マネジャーにECの知見がない場合には、ECの知識のレクチャーも併せて行います。

このような取り組みを続けると、経営者やマネジャーはマネジメントの仕事が楽になって、かつ事業の売上も伸びて、ということが起きてきます。

メンバーの問題

メンバーの知見が不足している

新規参入をされる事業者様が躓いているケースとしてよくあるのは、人数として人はいるんだけれど全員未経験というパターンですね。

経営者の方も年配でECのことがわからないので、数人のメンバーが見よう見まねの独学でやるのですが、やはりスキル的に不十分なせいで成果がなかなか出ないということが起きています。

ECの管理画面で一定の操作ができることと、効果的にECのマーケティングができることは全く違うことなんですね。未経験から独力でビジネス・マーケティングの知識を身につけていくのはけっこう大変です。

様々なノウハウ記事をwebで読むことができますが、中には情報が古く、もはや有効ではない情報もあるので注意が必要です。ノウハウはすぐ使える代わりに、すぐに使えなくなるものだという認識が必要です。

やはりビジネスやマーケティングのきちんとした知識を身につけていくことは大事で、これには書籍を読むことが有効です。でも、中小企業の社員は自ら学ぶ習慣に乏しいので、経営者が「勉強しろ」と言ってもなかなか実行されないですね。そういう場合には漫画なんかを使って学んでもらえたらいいなと思います。今は有名な書籍はほとんど漫画化されていますので。

学習機会を与えるよりも、ECマーケティングに習熟した外部人材と一緒に働かせる方が、事業推進と人材育成を同時に達成することができて効果的なんじゃないかな、とは最近思っていることです。

メンバーの人数が足りていない

あとはやっぱりそもそも人数が足りていないというケースですよね。

社内にECをやれる人もいないし、リソースも割けない。1年間人材採用広告を出しているのに誰も来ないみたいなこと、本当にあるんですよ。

まず一般求人での採用は確率が低いです。そもそも優秀なEC人材は求人市場にはまず出てこないんですよね。

社内にEC運営人材がいるなら、若い未経験者を採用して教育する方法でいいんですけど、やっぱり初期の教育コストがかかりますから。EC担当者の手が回らなくなって、売上もモティベーションも下がってしまうということが起きます。元気だった既存社員が一気にゾンビ化するので注意が必要です。

こういう場合もやっぱり、副業人材やフリーランスを上手く活用すればよいのではと思います。

ーすごくわかりやすいです…ありがとうございます!

「外部人材」で「社内を育てる」

ー外部人材の活用は効果的だというお話があったと思うんですけど、我々も色々なECの事業様とお話する中で、まずは社内でやってみよう、採用は正社員採用だけでいこうというこだわりのある方がいらっしゃるんですよね。武田さんはこういったこだわりについてどう思われますか?

僕がお手伝いする社長さんにも、今いる人材を大事にして会社の成長と人の成長を同時に達成したいんだというという方が多いですし、僕もそれには共感できます。

じゃあそれと外部人材の活用って矛盾するんじゃないかと思われるかもしれませんけど、そうではなくて、あくまでも教育面での活用だと思うんですよね。

僕も外部人材にあたるわけですけど、コンサルに入る時は経営者からメンバーまでの縦ラインの全ての層についてコーチングやトレーニングを行って、会社全体にレバレッジをかけるというお手伝いをしています。

ーなるほど。

人とかお金とかモノとか情報とか、色々な経営資源がありますけど、いちばん大事な経営資源って「時間」だと思ってるんですよ。時間だけが、貯めておけないし借りてくることもできない唯一無二の資源です。

例えば「売上を倍にしよう」という目標も、時間が無限に使えるならば、いつかはほぼ確実に達成できるわけです。50年後とか100年後とかに。でもそれじゃ嫌じゃないですか。寿命が先に尽きちゃいます(笑)。

必ず来期とか3年後、という期限が決められたところに、目標とかビジョンとかがあるわけですよ。とすれば、いかに時間あたりのパフォーマンスやレバレッジを最大化するかがポイントだと思うんですよね。

そうなるとやっぱり内製で試行錯誤していると、追加費用はかからないかもしれないけれど、成長に時間がかかり、結果、費用対効果が悪いということになります。

外部人材なり外部ソリューションを活用して事業の成長を推進しつつ、丸投げではなく、彼らと協働することによってメンバーのスキルアップも達成する、という方法が一番時間効率に優れたやり方かなと思います。

具体的には外部人材をリーダーとして迎えて、メンバーは手を動かすという協働スタイルを組むのが最良かなと考えています。

ーいちばん大事な経営資源は「時間」という言葉がグサッときました…。確かに、そう考えると「正社員採用にこだわりたい」ことと「外部人材を活用する」ことは全く矛盾しないですね。
我々が運営するECのプロというサービスでは、今仰った外部人材をご紹介するマッチングサービスになります。このサービスについて武田さんのご意見やご感想などお聞きできればなと思うのですが、いかがでしょうか?

そうですね。商品やサービスが選ばれる理由って、どれだけピンポイントに自分の課題を解決してくれるのか、という部分がすごく大事じゃないですか。

今は色々なマッチングサービスがありますけど、その中でECに振り切っているというのは絞り込みがすごく効いていて良いなぁと思いますね。

それと、ECのプロは専門家のスキルがしっかりと見える化できてますよね。

事業者にとって今どういうスキルが必要で、どのように組み合わせるのかは常に重要なテーマです。それがちゃんと見える化されているのは安心感があるなと思います。

人の能力という多分に定性的な部分をきちんと定量化している、すごく現代的なサービスだなと感じていますね。

ーお褒めに預かり光栄です。ありがとうございます!

これから武田和也が仕掛ける未来

ーそれでは最後に、今後の武田さんについてお伺いしたいです。武田さんはこれから何を仕掛けていくんでしょうか?

2018年に前職の代表を退任してから色々な事業をお手伝いしていく中で、コンサルタントとして社会に貢献できている実感も得られ、楽しい仕事だなと思うようになりました。それでようやく今年1月に法人化しました。

仕事をする上で僕を駆動しているフォーカスが2つあって、

1つ目は「日本が豊かであり続けることに貢献する」ということ。
2つ目は「働くのが楽しい社会の実現に貢献する」ということ。

そのふたつを達成していくために、もっとたくさんの人の成長に貢献していきたいなという想いが強くなってきています。

その中では、フリーランスのEC人材が活躍できるための支援というものを始めています。彼らにクライアントを紹介したり、チームで定期的に勉強会を開いたり、ECの分析ツールを作ってシェアしたりとかしていますね。

ーまさに先ほど仰った、外部人材の活用で多くの人が成長することに繋がっていくんですね。今後の武田さんにも目が離せません!

おわりに

みなさん、いかがでしたか?「EC事業での人の問題」とその解決法、とっても分かりやすく、勉強になりましたね!

限りある時間の中でどうやって事業目標を達成するのか。

外部人材を迎え入れるだけではなく、協働することで社内のチームを育てていくことが成功のカギとなりそうです!

弊社が運営するECのプロでは、同じ商材や業界で実績を持ったECのプロから、必要な時に必要な分だけ、成功方法やノウハウを共有してもらえます!

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