【株式会社フラクタ 河野貴伸氏に聞いてみた】ECこそブランディング思考が求められるワケ

2023-05-23

はじめに

みなさん、こんにちは!ECタイムズのみなつです。

今回は先日、株式会社フラクタ代表取締役の河野 貴伸さんと行ったセミナーの内容をご紹介します!

まず、河野貴伸さんについてご紹介します!

2000年からフリーランスのCGクリエイター、作曲家、デザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にデジタルコミュニケーション設計、ブランディングを手がけていらっしゃいました。
現在は「日本のブランド価値の総量を増やす」をミッションに、Shopify 日本初代エバンジェリストとしてブランドビジネス全体の発展やShopifyの普及をメインに全国でセミナー及び執筆活動をしておられます。

当日来れなかった人向けに、今回は内容をレポートしちゃいます。

ブランディングという視点からEC市場で生き残っていくためにはどうすればよいか語っていただきました!

当日のモデレーターは今回も弊社の竹中が務めます。どんなお話が聞けるのか!?楽しみです!

ブランディングはなぜ大切なのか

竹中:

河野さん、今日はよろしくお願いします。

河野:

こちらこそよろしくお願いします。

長期的な利益の源泉

竹中:

世間的にEC市場は急拡大していると言われておりますが、トータルの購買行動のうちEC消費は8%という他国と比べて低いのが現状です。

ですが、やはりECで出店する事業者は増えているため競争は激しくなっています。

そういった中で、ブランディングの重要性はどういったところにありますか?

河野:

そうですね。例えばドライヤーを探すとします。先ずGoogleやSNSで検索してみますよね。その時に大事なのが、自社のサイトが検索結果に表示されること。そして次に求められるのが、他のサイトと比較されてちゃんと選ばれることだと思うんです。

比較の段階で消費者が、この企業のドライヤーはこういう人たち向けのものなんだ、これは自分にピッタリなんだ、と認識できるよう印象を残すことがすごく大事だと思います。

ブランドには大きな影響力がありまして、他に安い商品があっても買ってもらえるようになるんですよ。

下のスライドにあるように、ブランドが長期的な利益の源泉となる。言い換えれば、消費者の皆さんにいかに信頼してもらえるか、ということだと思います。

ブランディングは本来、広報 ・広告・販促の機能そのものではありません。誰にどういうふうに認知してもらいたいかを考え、日々の情報発信やあらゆる活動を通じてその実現を目指すものです。

もともと実店舗でモノが買われていた社会で、後から登場したECはどんな位置づけになるべきか考えてください。

極論、お客様がECでブランドイメージを知って、実店舗に買いに来てもいいんです。実店舗で買われても、ECセクションで買われても同じ売上になるのですから。

ただ、ECと店舗で在庫や顧客を取りあって互いに差別化してしまうという話を聞くこともありますが、これは良くないですね。なぜなら、店舗のブランドイメージとECのブランドイメージが異なってしまうからです。

お客様にとってはECも店舗もチャネルの一つにすぎません。一貫して一つのブランドを発信することが大切です。

ポイントは「一貫性」

竹中:

なるほど。ある種の一貫性を発信するということですか?

河野:

そうです。自社とユーザーとのチャネルが多岐にわたっていて、全体の中にECがあるという意識が大切だと思いますね。

その全体を通して「一貫性」があるイメージです。

極論、基本的に売れるかどうかよりも、ちゃんと自社のサービスや商品を正しく認識してもらえるかどうかをブランディングでは重視しています。

お金をかけてオシャレなECサイトを作る前に同じことを繰り返し伝え続けることはできますので......

竹中:

全体設計からECのあり方を考える重要さがひしひし伝わります!

※ブランディングに関しては、過去にECタイムズでもプロの木下さんにインタビューを行いました!!こちらも合わせて参考にしてみてください。

売れるECに育てるためのリピート戦略

ECを成長させる方程式

竹中:

次にECサイトを成長させる方程式について問いかけていきます。ECを成長させるための方程式として、以下のような方程式があると言われておりまして、自社ECかモールかで大別される考え方です。この方程式に沿って、河野さんとテーマを深掘りしてみようと思います。

自社orモールはここまで違う!

竹中:

まず選択肢として自社のサービスや製品を自社ECで販売するケースと、Amazonや楽天といったECモールで販売するケースがあります。

自社開発でEC作るとなると、ブランディング的思考はどのフェーズから入ってきますかね。

河野:

そうですね。サイトの設計段階からコンセプトの魅せ方を全て決めようとしがちですが、現実問題、お客様とのコミュニケーションの中で少しずつ改善していくことになります。

なぜなら、お客様の求めていることを最初から分かるはずがないからです。

実際は、お客様が持っているであろうニーズを満たす手段として、ShopifyとかBASEとか色んなサービスを試してみて駄目だったら次のサービスに行くというような感じで、お客様との直接的な問いかけをしながらチューニングしていくことになりますね。

竹中:

ECモールの場合はブランディング的に何が大事になってきますか?

河野:

まず、楽天にしろAmazonにしろ一番大事なことってお客様からの信頼なんですよ。

商品が溢れかえって一商品当たりの閲覧時間も短くなりますし、レビューも残せる時代ですから、いかに失敗しないかという考え方に行き着きます。

竹中:

なるほど。

河野:

そうなると、もう信頼でしか勝負できない。もはやサイトのデザインなどではなく、各モールの特性の中で、とにかく最大限お客様が自社に求める価値を伝えていくということが重要です。

「人員の供給」が成長のポイント?!

竹中:

では、ECの運営には戦略、新規顧客の獲得、既存顧客のリピート率の向上、購入率の向上など結構やることが多いですが、これを全て自分たちでするっていうのはどう思われますか?

河野:

厳しいですね…。売上拡大のためにすべきことの大まかなタスクに対して僕がすごく難しいと思うのは、①リピートの向上と②そもそもリピートしてくれるお客様を探す、という二重構造になっているところです。この2つとも手法が違うので尚更大変になる。(売上拡大とリピート率の改善の関連性についてはこちら)

それに加えて、今年に入ってECの売上が鈍ってきた。コロナ特需の効果が薄くなってきたわけです。

そういった事実とは裏腹に世間的には「ECをやれば伸びる」みたいな認識もあって、売上を伸ばせないEC担当者への風当たりが強くなるんです。

まず、EC市場が頭打ちになり始めているという認識を持ってもらって、人員を増員してECをチームで運営していくことをおすすめします。

やっぱり、やることがすごく多いので......

竹中:

なるほど。自分たちだけでは対応しきれないほど多くのことがECには求められているのですね。

河野:

そうですね。

竹中:

とても勉強になります。自分たちだけでは対応しきれないからこそ、外部の人材を活用してもらいたいですね!

おわりに

皆さん、いかがでしたか?

ブランディングという視点から、ECの立ち位置だったり、現状だったりを話していただきました!
そして、話の中でも河野さんが言っていたようにECには今後、専門知識をもった人手が必要となってきます!

「ECのプロ」には1000人を超えるプロが在籍しています。人手が足りなくなったときは、ぜひECのプロを呼んでください!

心強いプロが並走してECの運営や相談に関わってくれます。
それではまだ次回セミナーもお楽しみに!!

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