はじめに
化粧品市場において、ECでの販売はもはや必須と言えます。しかし、自社ECサイトだけでなく、Amazonなどのモールへの出店も視野に入れるとなると、その運営ノウハウに頭を悩ませる企業も多いのではないでしょうか?
今回のインタビューでは、スキンケア商品を中心に展開する株式会社エクラ様に、Amazonでの成功事例を伺いました。
同社は、元々自社ECサイトで単品リピート通販を行っていましたが、「いろんなことをやってみたい」という思いから、新ブランド「fru:C」を立ち上げ、Amazonへも販路を拡大し、その後楽天でも販売を強化。
しかし当初は、Amazonでの販売は初めてだったため、ECのプロに支援を依頼。その結果、短期間で大きな成果を上げることができたそうです。
一体どのような戦略で成功を収めたのか? 具体的な施策やECのプロとの連携体制、そして今後の展望について、南さまに詳しくお話を伺いました。
株式会社エクラさま会社概要
株式会社エクラは、皮膚科学と和漢の研究に基づいた化粧品ブランド「白漢しろ彩」「fru:C」などを展開する会社です。自然成分を活かした商品で顧客の肌の悩みに寄り添い、効果的な商品を提供することに力を入れています。また、化粧品以外にも医薬部外品や健康食品の販売なども行っています。
ECのプロの紹介
自社ではベビーブランドも取り扱いながら、2022年から始めたコンサルタント業務では、食品、美容・化粧品、生活雑貨など他業界にわたるクライアントを持つ。楽天ではショップオブザマンスなど受賞歴多数。LP制作に特化しつつも幅広いECノウハウを活かして、ECのプロとして活躍中。
人気化粧品ブランド「fru:C」がAmazonで躍進!ECのプロが支えた成功戦略とは?

ーまず最初に、御社の事業について簡単にお伺いしたいと思います!商品や、今の御社の商品展開についても簡単に教えていただけますでしょうか?
南:
弊社はスキンケアを中心とした化粧品メーカーで、自社ECサイトでの販売に加え、バラエティショップやドラッグストアなどでのリテール展開も行っています。
ECのプロにお願いしているのは、主にfru:Cブランドの商品です。 元々弊社は別ブランドがメインで自社ECサイトで単品リピート通販を行っていましたが、「いろんなことをやってみたい」という思いから、fru:Cブランドを展開し、リテールにも販路を広げました。
ー事業としてECを始めたのはいつ頃からになるんですか?
南:
設立当初からです。化粧品の単品リピートの通販会社として設立時からECを行っています。
ーなるほど。ちなみに他のスキンケアの企業さんでもやはりリテールで販売を強化するためにECでの売上の権威性が必要と感じてるという風潮があります。御社の場合どういう順番で始まったんですか? やはり結果的にリテールでの販売を展開していきたいという感じだったんでしょうか。
南:
弊社の場合は元々、別ブランドで自社のECサイトで単品リピート通販を行っていました。 価格帯が少し高めで、50代くらいをターゲットにしていたんですが、今回は見た目もキャッチーでお求めやすい価格のビタミンC美容液を開発しました。
これなら店頭に置いたら手に取ってくれる人もいるかもしれないと思い、バラエティショップやドラッグストアでもリテール展開も始めたんです。
ーなるほど、リテールでも反応が良いと思ったんですね。
南: そうですね。ですがリテールは自社ECほど売上が見込めません。今までの弊社のブランドだと比較的高額な商品だったので店頭では売れにくいというのもわかっていましたが、今回は見た目も可愛く、価格も手に取りやすい商品ができたので、リテールも試してみようと思ったんです。
ーリテール展開はいつ頃から始められたんですか?
南:
展開が始まったのはfru:Cブランドが発売してからで、本格的に始動したのは2年前くらいですね。 最初は小規模でしたが、PRの施策が功を奏して少しずつ認知拡大ができ、LDKの賞を受賞してから一気に売り上げが上がりました。
そのタイミングでECもリテールも一緒に盛り上がってくれたんです。
ーECでの実績がないとリテールでの取り扱いが難しいという状況があるようですが、御社の場合は逆のアプローチを取られたわけですね。コロナ禍でECの重要性が増したと思われますが、今後は実店舗の展開もさらに広がっていく可能性はありますか?
南:
実店舗の展開も大きくして行きたいですが、やはりメインはECと考えています。ただ、ECだけでは取りこぼしてしまう層もあると思うので、認知拡大の意味合いも込めてリテールでの展開も続けていきます。
また、越境ECも視野に入れているので、国内の店舗の実績が大きければ、中国市場などでも需要があると思ってもらえるので、越境ECでも取り扱ってもらいやすくなります。
そういった点でもインバウンド向けにもリテール展開を行っています。ですが、やはり当社の売上の基本はECにあります。
少人数制で売上アップの秘訣!「ECのプロ」がもたらした効果とは?
ー設立当初は社長さんと担当者1人くらいだったというお話でしたが、現在の人数はどのくらいなのでしょうか?
南:
現在は、正社員は常時5〜8人程度で、それに加えて時短勤務やパートタイムの方もいます。
設立当初は社内で多くの業務を行っていましたが、現在はかなりの部分を外部に委託しています。本社は少人数でできるだけ頭を動かし、外注できる作業は外注するという働き方をしてます。
ー多くの企業が内製化を重視し、社内で業務をこなそうとする傾向がありますが、御社は元々外注を積極的に活用する方針だったのでしょうか?
南:
はい。費用は多少かかるかもしれませんが、社内スタッフが10時間かけてやるよりも、専門家に1時間でやってもらう方が全体的に効率的なので創業時から外注化を積極的に取り入れる考えでした。 もちろん、内製化できる部分は内製化しています。
ー特に広告運用などは、センスや経験が必要ですよね。
南:
そうなんです。情報の変化が早く、対応も迅速に行う必要があります。社内で全てに追いつくのは難しいですし、特に化粧品のECは動きが速く、トレンドも目まぐるしく変わります。
だからこそ、プロの方々に任せるのが最も効果的だと考えています。「外部に任せないと」という後付けの判断ではなく、当初からこの方針でした。できるだけ外注し削減できる 作業時間で、社内では企画立案に注力できるようにしています。
ー次は、EC事業というところにフォーカスを当ててお話させていただきたいんですけど、御社は自社の単品リピートから始まったということですよね。モールへの出店というところにシフトを入れたきっかけはどこにあるんですか?
南:
元々楽天やAmazonにも出店自体はしていたんです。ただ、主な売り上げは単品リピート通販だったので、モールは定期購入したくないお客様向けに商品展開している程度でした。
もっと力を入れなければならないとは感じていましたが、そこまで手が回っていなかったというのが実情です。
ところが、fru:Cがベストコスメを受賞して認知度が急上昇したタイミングで、楽天やAmazonでもすぐに品切れになってしまったんです。
「これは相当売れるはずだ」と思い、売り上げが急上昇したタイミングで「今こそモールに力を入れなければ」という感じになりました。
「ECのプロ」が伝授!Amazonで売れる商品ページ作成の秘訣

ー自社サイトの方が出店料などがかからないので、売上としては有利なイメージがあります。それでもモールに力を入れていく必要があると判断されたのは、どのような理由からでしょうか?
南:
私たちもそう思っておりました。なので最初は、どれくらい力を入れるべきかをECのプロさんとお話してから決めようという感じでした。正直に評価してもらいたいとお伝えしたところ、弊社の別ブランドの商品は、「このシリーズはモールでは少し厳しいかもしれません」と正直にお話いただきました。
ですが一方で、「fru:Cの方は伸びしろが十分あります。むしろ、ビタミンC美容液で恐らく1位を取れるでしょう」とまで言っていただきました。
私たちも、本当に良い商品で、さらに価格もお求めやすいものですし、楽天やAmazonとの相性は良さそうだと思っていたので、そこまで言ってくださるなら、もうそれでお願いしようと思いました。
ープロの意見の後押しがあって、「よし、やろう」という感じで社内的に決まったんですね。
南:
そうですね。幸いなことにベストコスメを受賞したタイミングは何もしていなくても売れていたというのもあったので、「これはさらに売れそうだ」という兆しが見えていました。
さらに初動からプロの方からのアドバイスを沢山いただけて本当にためになりました。
例えば、Amazonや楽天での広告運用などの、うまくいく秘訣など全く知らなかったのですが、ECのプロさんが、「こういう商品なら、この方法で運用すると効果的ですよ」とか、「Amazonで売るにはこうした方がいい」、「楽天で売るにはこうした方がいい」、といったことを具体的に教えてくださって。 それを聞いて、「あ、うちの商品にぴったり当てはまるな」と思ったんです。
ー御社の商品は自社サイトでもモールでも好評とのことですが、ECサイトでの売上を上げるために、何か意識されていることはありますか? マーケティング強化などについてお聞かせください。
南:
自社ECで売れるもの、モールで売れるもの、リテールで売れるものと、それぞれ違うと思っているので、できるだけ色々な市場とトレンドを意識してマーケティングしています。
いくら商品自体がいいものができたとしても、その単価が1万円とかになってしまったら、お客様のニーズには合わないと思うので、その場合は私たちはもう作りません。
今市場で売れているものよりも良いものができて、なおかつ、より手に取りやすい価格が実現すれば勝ち目はあるのかなと思うので、マーケティング目線での商品開発を心がけています。
ーECのプロの助言があれば、そのトレンドへの対応時間は変わったりしますか?
南:
はい、特に今お願いしている担当者さんはAmazonや楽天のプロフェッショナルなので、マーケティングの観点からさまざまなアドバイスをくださいます。
「このキーワードならこんな商品を出せば上位に入れそう」といった具合に一緒に考えられるので、とても助かっています。
ーありがとうございます! ECサイトでは、LPの改善やリソースの配分判断が重要になりますよね。「これはいい」と持ち込まれた情報が本当に良いのかどうか、判断が必要になると思います。その情報をどこで収集し、どのように意思決定やプロセスで行っていましたか?
南:
ECのプロさんにご依頼していることに関して言えば、楽天やAmazonはLPではないので、ページデザインが中心になります。 今まで自社ECでLPの改善などは行ってきましたが、モールのページデザインについては、ECのプロさんの会社が一番詳しいと思うので、構成などはほとんどお任せしました。
最初に私たちの商品についてプレゼンをしたところ、商品の良さをよく理解してくださっていたので、初回の提案の時点で、私たちからあまり異議を唱えることもありませんでした。
自社ECのLPとはまた違う、モール特有のLPの考え方があるということも理解していたので、私たちからはあまり意見を言わずにお任せしたのですが、本当に素敵なデザインを提案してくださったので、そのまま使わせていただいています。
正直なところ、運用開始から修正もあまりしていません。 ほとんどそのままの状態で、時々「このボタンを追加した方がいい」とか「ラインを引いた方がいい」といった小さな変更を加えることはありますが、特にAmazonに関してはほぼ提案通りのままです。お任せできてよかったと思っています。
ーなるほど。では視点を変えて、なぜこの度ECのプロに依頼しようと思われたのでしょうか?
Amazonと楽天に力を入れるためにECビジネスのプロへ依頼
南:
モールでの売り上げをもっと強化したいと思ったときに、知り合いにECのプロにすごい方がいると紹介されたんです。 それで現在のECのプロの担当者さんと一度面談してみたいと思い、実現しました。
現在は売り上げ計画のシュミレーションから、広告運用、在庫管理なども含めて、かなり実務的なところまで手を動かしていただいているという感じです。
ー他の企業さんとかで検討されたことはなかったんですか?
南:
他の選択肢は特に検討しませんでした。Amazonと楽天事業に力を入れたいと思った時に、すぐにECのプロさんの存在を知ることができたんです。
もし知らなかったら、他にもいろいろ試行錯誤していたかもしれません。でも、たまたますぐに良い方に巡り合えたので、もう始めちゃおうという感じでした。
ープロが直接入るというのは、会社としてコンサルを依頼するのとは少し違いますよね。実際に業務委託としてプロに入っていただくというのは、他のサービスとは異なるケースだと思います。実際、そのようなプロが入ることに対して、何か不安な部分はありましたか?
南:
特に大きな不安はなかったですね。ですがAmazonはセキュリティ面で厳しいところがあるので、アカウントの停止などそういった点で少し不安はありました。
でも分からないまま弊社だけで進めるよりも、逆にプロの方に相談ができて安心でした。分からないまま進めて、変なトラブルやエラーが起きて、アカウントBANされたらどうしようという不安の方が大きかったんです。
そういったトラブルもプロに相談できるというのがとても頼もしかったです。
ただ、売り上げが上がるのかという点では心配はありましたが、シュミレーションも細かく出してくださり、予定通りにならない月も早めに軌道修正していただいたりで、大変助かりました。
ーECのプロにご依頼いただいて1年半ほどになりますが、具体的にどのような変化を感じられましたか?
南:
目に見えるところでは、売上とランキングが上がりました。また、良いレビューがかなり増えたおかげで広告以外でのオーガニックの売り上げにつながったのだと思います。レビューの大切さもプロの方に教えていただきました。
リピート率も増えてきているので、新規を獲得しながらもリピートをどんどん増やしていければと思っています。
それまで私たちはAmazonや楽天の広告は一切回していなかったので、そういった実績も作れたというのは大きいですね。
目に見えない部分では、特にAmazonは、トラブルやエラーがあっても原因や理由などを親切に教えてくれません。サポート体制が十分ではないので、結局、誰に聞けばいいのかわからないことが多いんです。
Amazonは何か変なことをしてしまってアカウントに問題が生じるのが一番怖くて・・・。楽天はまだ日本語が通じますが、Amazonは機械的な回答が多く、部署も全然違うので、たらい回しにされて結局解決できない!なんてことが今まで多くありました。
ですが、知見の多いプロの方が入ってくださってからは、相談させてもらえているのでかなりスピーディーに解決できるようになりました。
トラブルの際は特にプロからのレスポンスも速くいただけて、時には一緒に問い合わせしてくれるほどで本当に頼もしいです。数字以外の面でも、非常に心強いですね。
ートラブルやエラーの相談できない状況は困りますよね。
南:
はい。なので、トラブルシューティングの部分でもご相談できるのは大きいですね。
また、ECのプロさんは大手企業での経験もあるので、その知見も貴重です。
例えば、「この会社なら売上が何%くらい上がりました」とか、「この施策を実施したらこれくらいの効果がありました」といった具体的な事例も教えていただけるので、非常に参考になります。
「質問攻め」で不安を解消!二人三脚でAmazon攻略!
ー良かったです!実際に他のところでもコンサルタントさんなどに入ってもらっていると思いますが、コンサルタントや運用代行の方々とECのプロとの違いは、どういうところにあると思いますか?
南:
これまで多くのコンサルタントや企業に依頼してきましたが、机上の空論といいますか、実際にやってみると期待したほどの効果がなかったり、我が社の商品ターゲットに合わなかったりすることが多かったんです。
「これをやった方がいい」と提案されても、社員数が少ないため作業が追いつかず、手をつけられないこともありました。
できるだけコンサルの内容は全て実行しようとしましたが、手を動かした時間に対して、思ったほど数字が伸びないこともありました。そういった経験から、コンサルタントを信用しないわけではありませんが、少し疑問を感じることもあったんです。
実際、ECのプロのように運用までしていただけると、社内のリソースを使わずに済みますし、やはりプロの方にやっていただけると安心感がとてもあるので、非常に良いと感じています。
ー外部の力を活用するにあたって気をつけていることや、ポイントになることはありますか?
南:
アドバイスいただいたことをできるだけ全部実行するようにしています。もちろん、方向性が違ったり予算の関係でできないこともありますが、基本的にはおすすめいただいたことは全て、できるだけスピーディーに実行するよう心がけています。
また、わからないことは申し訳ないですが全て質問するというスタンスで進めています。不明点があればすぐに電話やチャットで質問や相談をしていて、本当に頻度も高いのに、いつもお返事が早くて助かります。
また、単なる運用代行と違う点は、しっかりコンサル的な要素があるところです。今までのご経験を活かしたご意見を聞きたくて、いろいろと相談させてもらっています。
社内でできそうな部分は、内製化できるようやり方を教えていただいているので、社内でできることも格段に増えました。
ーありがとうございます!是非、今後ともよろしくお願いします!外部サービスに全て委託している企業様もいると思うのですが、御社の様に「一緒に進めていきましょう」というスタンスは重要なポイントだと思われますか?
南:
センスが重要な広告運用に関しては全てお任せしていますが、レビュー対策や同梱物の作成、LINEの構築やLPやトップページの画像制作など、弊社でできる部分は弊社で対応しています。
また、ご提案いただいた業務は全て、できるだけ迅速に行うよう心がけています。
ーなるほど。もし他の企業さんにおすすめできるようなコメントがあれば、ぜひ教えていただきたいのですが。
南:
中小企業だと社員数が限られているので、どうしても細かいところまで手が回らないことがあります。
コンサルタントの場合、結局自分達で作業をしなければならない部分が多く大変だったりしますが、ECのプロでは実際にプロに動いていただけるので、本当におすすめです。
おわりに

化粧品ブランド「fru:C」の次なる目標とは?
ーありがとうございます! 私たちの存在意義を感じられて嬉しいです。最後に、今後の展望についてお伺いしたいのですが、御社はどういった方向を目指していらっしゃいますか? 特に注力したい分野などはありますか?
南:
モールも引き続き伸ばしていきたいですし、今後モールでランキング上位が取れるような商品の開発にも力を入れていきます。新しいカテゴリーでも主力商品を生み出せればいいなと考えています。
自社ECに関しては、自社でしっかり取り組んでいく方針です。PR施策などでブランドの認知度を高めつつ、自社ECとモール、リテールで売上増加につなげたいと思っています。
商品ラインナップも今後どんどん拡充していく予定です。市場のニーズに合った良質な商品が作れそうであれば、積極的に開発していきたいですね。
ーなるほど、ありがとうございます! 本日はいろいろお伺いできて良かったです! 今後ともよろしくお願いいたします!