ECサイトにチャットボットは必要?導入の効果とは

2024-08-02

ECサイトにチャットボットは必要?導入の効果とは

近年、顧客とのコミュニケーションや業務効率化などを目的として、ECサイトへのチャットボットの導入が活発化しています。しかし、本当にチャットボットを導入する必要があるのか、導入することでどのような効果を期待できるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ECサイトにおけるチャットボットの機能や種類、その役割、導入効果、導入のポイントなどについて詳しく解説していきます。ECサイト運営者にとって、チャットボットが有効なツールとなるよう、参考にしていただければ幸いです。

チャットボットの機能や種類

チャットボットは、顧客との会話を通じて情報を提供したり、タスクを代行したりするシステムです。近年ではWebサイトのカスタマーサポートや観光案内、行政手続きなど、さまざまな分野で活用されています。チャットボットによって実行できる主な機能としては、ユーザーが入力した内容を理解して適切な解釈を行う「自然言語処理」、商品検索・注文処理・予約など、ユーザーの指示に従って実行・サポートする「タスク実行」などがあります。

ユーザーが入力した内容に応じて自然な文章で回答を生成する「会話生成」では、キャラクターなどを用いて親しみを持てるようにすることで、ユーザーとの情報交換などに利用されています。これらの機能を活用したチャットボットは、大きく3つの種類に分けられます。どのようなものか具体的に見ていきましょう。

シナリオ型チャットボット

シナリオ型(規則ベース型)は、あらかじめ設定されたルールやシナリオに基づいて会話を行うチャットボットです。質問内容や回答をいくつか提示し、ユーザーが当てはまる項目を選択していくことで知りたい内容を導き出します。企業サイトのFAQ対応などにも適しているタイプだといえます。ECサイトでも、問い合わせ内容が定型化している傾向にあるため、シナリオ型チャットボットが最適とされています。ただし、複雑な質問には対応できない点には注意しましょう。

AI型チャットボット

過去の会話データに基づいてユーザーの意図を推測し、適切な回答を生成するタイプのチャットボットです。シナリオ型チャットボットよりも柔軟な対応が可能で会話も自然な反面、導入費用も高くなります。データを大量に学習する必要があるため、回答のズレを微調整するためのチューニングも行わなければなりません。

AI型にはいくつか種類があり、機械学習のほか人間の脳に近いディープラーニング(深層学習)、また近年はOpenAI社が開発した大規模言語モデルのチャットボット・ChatGPTなども活用されています。ChatGPTに関する詳細は以下を参考にしてください。

Chat GPTのデメリットと対応策 - AIを活用するEC事業者のためのガイド
Chat GPTとは?EC事業者が知るべきAIチャットボットの基本

ハイブリッド型チャットボット

ハイブリッド型は、シナリオ型とAI型の両方のアプローチを組み合わせたチャットボットです。特定のパターンやルールのある内容に関してはシナリオ型で対応し、より複雑で高度な会話には機械学習アルゴリズムを使用します。これにより、会話の文脈や意図を理解し、適切な応答を生成することができます。

ECサイトにチャットボットを設置する効果

ECサイトにチャットボットを設置することにはいくつかのメリットがあります。考えられる効果を具体的に挙げていきましょう。

顧客サポートによる満足度の向上

チャットボットは、24時間365日利用可能なため、顧客が疑問・質問がある場合にいつでも対応できます。顧客のタイミングで問題を解決できれば、翌営業日まで待たなくて済むため、顧客の満足度向上や売り上げにつながる可能性があります。

CVR(コンバージョン率)の向上

チャットボットは商品検索をはじめ、商品の詳細情報の提供、サイズの確認、在庫の有無、配送可能日などにも回答できます。また、顧客の購入履歴や興味・関心に基づいて商品を提案する、会員登録を促すといったWeb上でのサポートが行えるのも魅力です。ECサイト内でのユーザー体験が向上すれば、利便性の向上だけでなく、イメージアップや目標に合わせたコンバージョン率のアップも期待できます。

効率化とコスト削減

チャットボットで顧客対応ができれば、これまで問い合わせ対応にかかっていたスタッフの人件費や工数の削減が可能になります。特にカスタマーサポート専門の部署などを持たない小規模事業者は、スタッフが業務を中断して顧客対応を行う必要がなくなり、商品やサービスの開発、マーケティングなどのコア業務に注力できるようになります。

顧客データの収集と分析

チャットボットは、顧客とのコミュニケーション履歴からデータを収集し、分析することができるのも大きな強みです。分析結果を基に顧客の傾向や好み、ニーズなどの洞察を得られるため、新しい戦略の立案やサービスの改善に役立てることができます。ECサイトは、ユーザーが実店舗に来店することなく好きなタイミングで買い物できる点が魅力ですが、顧客とのコミュニケーションは基本的にありません。購入後のレビューや返品交換があるとはいえ、購入を検討する段階でリアルタイムに顧客の要望をキャッチするのは困難です。そこでチャットボットを導入すれば、EC店舗における顧客との接点を実現するツールにもなるのです。

チャットボットを設置する際のポイントは?

チャットボットを設置することで業務効率化や顧客とのコミュニケーション、情報分析などを行えますが、適切なチャットボットを導入しなければその効果を最大限活かすことはできません。そこで、チャットボットを導入する前に次のような項目を確認しましょう。

目的を明確にする

チャットボットを導入する前に、まずは目的を明確にすることが最も重要です。チャットボットを導入することで自社にどのようなメリットをもたらしたいのかを検討しましょう。顧客満足度向上・売上向上・業務効率化など、目的によって必要な機能や導入方法が異なってくるためです。

適切なチャットボットを選ぶ

導入を決めたあとは、目的に合致したチャットボットを選びましょう。さまざまな種類のチャットボットが存在するため、機能やメリット・デメリットを比較検討する必要があります。
チャットボットは無料のものもありますが、無料版の機能は限定的です。とはいえAI型を採用すると、導入・運用コストが高くなります。目的と予算、使い方を考慮しながら選びましょう。

チャットボット構築と体制の確保

チャットボットの導入にあたっては、シナリオの構築なども必要になります。またWebサイトやSNSなど、チャットボットをどこで使用するのかというプラットフォームの選定も行いましょう。
選定後は、チャットボットベンダーとやり取りをしたり、導入後のサポートを依頼したりする必要があります。どのように運用するのかも決め、チームを編成して対応できるようにしておきましょう。

導入後の運用・管理

チャットボットを導入したあとは、そのまま運用を続けるのではなく、定期的にメンテナンス管理を行うことが重要です。チャットボットの会話内容を分析したり、ユーザーからのフィードバックを収集したりすることで、チャットボットの回答精度を向上させることができます。AIを活用したチャットボットの場合は、回答のズレやニュアンスなどを微調整するチューニングが重要です。

まとめ

チャットボットは便利な機能ですが、必ずしも万能ではないため、導入して終わりとはなりません。ユーザーの質問文や内容によっては、求める回答にたどり着けない、複数の質問に同時に回答できないなどの限界があります。チャットボットを煩わしいと感じるユーザーもいるため、質問を複数回試しているようであれば問い合わせ先ページに案内する、またはオペレーターに切り替えるなどの対応策も必要です。ユーザー目線で便利に使えるチャットボットを構築しましょう。
ECのプロでは、ECサイトの立ち上げから運用の課題解決まで幅広く支援しています。必要なサポートを行うシンプルな支援体制を整え、適切なチャットボット選びや戦略など、要望に応じた個別の対応を行っています。些細な悩みにも丁寧にアドバイスを行いますので、まずは無料相談までお気軽にご連絡ください。お問い合わせはこちら

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