検品はECに必須!重要性、課題と解決策を紹介

2024-04-03

検品はECに必須!重要性、課題と解決策を紹介

検品作業のポイントをつかんでミスなく効率化!ECビジネス成功への道

直接商品をその場で選び手に取って購入する消費活動と異なり、ECの場合消費者は欲しい商品を選んで注文し、物流工程を経て配送されてきた商品を受け取るというかたちで物品やサービスを手に入れることとなります。
そのため、物流における出荷・配送の品質、正しい商品が指定の数だけ安全な状態、望んだ質を保った状態で受け取れるかどうかが非常に重要です。

「早く」「確実に」「きれいに」届くという安心感は、ECの事業者において信頼性や顧客満足度を大きく左右する点であり、商品そのものの質に並んで大切なものといっても過言ではありません。
この安心を支える重要な作業が検品です。今回はこの検品の重要性や作業の流れ、よくある課題と解決策などについて解説します。

検品とは?

検品とは、商品が規定の規格や性能を満たしたものであり、不良品・欠陥品でないか、品番や数量が正しく発注内容と合致しているかを確認する作業です。
物流においては、商品の入庫時に実施する「入荷検品(入庫検品)」と、顧客へ出荷する際に実施する「出荷検品」の2つがあり、どちらも欠かすことのできない重要な作業です。
入荷検品は、仕入れ先から商品が納品された際に行う作業で、納品書と実際に届いた商品を照合して内容や数量に間違いがないか、また商品に破損・欠陥・汚損はないかを確認します。後者の商品状態に関するチェックを、別に「品質検品」と呼ぶこともあります。
出荷検品は、倉庫に保管していた商品を、注文に応じ顧客へと発送する際に行う作業です。ピッキングされたものは注文書通りの商品と数量であるか、商品自体に汚れや傷がないか、丁寧に確認を行います。この作業に漏れがあると、顧客に誤った商品や不良品を届けてしまうことになり、評価や信頼を大きく傷つけるもととなってしまいます。

検品作業の流れ

一見、単純に見える検品作業ですが、高い精度が求められる工程であり、ひとつひとつ流れを踏んで正確に実施していくことが大切です。

作業前準備

検品の作業者は、顧客に届ける大切な商品を扱いますから、まず身なりを清潔に整えることが必要です。制服に着替えて手の洗浄・消毒を行い、マスクや帽子も着用します。

とくに取り扱う品物が食料品や精密機器、医療品などの場合には、菌やゴミが付着・混入することのないよう、十分に注意しなければなりません。現場の環境とあわせ、清潔さと作業のしやすさをよく考えた準備を行いましょう。

担当割り当て

管理者は作業者それぞれに担当を割り当て、人員配置を行います。検品は、単純ながら高い精度で正確さが求められる緻密な作業であり、長時間取り組むことになるケースも多いため、集中力を切らすことなく作業できるような工夫が必要です。

規定通りの作業を正確に継続できるよう、適度に配置換えを行ったり、熟練作業者と初心者を交互に置いたり、適切なタイミングで休憩を挟むなど、細かな点にまで気を配るよう心がけることが大切です。

入荷検品の実施

仕入れ先から商品が届いたら、納品書や入荷伝票に記載されている内容と、納品された実物を照らし合わせ、品目や数量に間違いがないか確認を行います。この時、確認とあわせて在庫台帳に品目(品番)と数量を記入し、在庫管理につなげましょう。デジタルで管理している場合には、規則に従って、担当者がデータ入力を行います。

入荷した品目や数量が間違っていた場合には、速やかに情報共有を行い、仕入れ先と連絡を取って正しい内容に変更してもらいましょう。誤りを放置すると、台帳上の数と実際の在庫数にずれが生じ、思わぬ在庫切れなどを起こしてしまいます。
入荷検品で間違いがあると、その後の作業に大きな影響をきたします。手順や規則を明確にし、正確な作業実施を徹底しましょう。

また、この検品作業時に、商品の破損・汚損など不良品がないか、品質の確認も同時に行っておくことが望ましいでしょう。商品に傷や問題が発生したのは入荷前か入荷後かをはっきりさせ、責任の所在を明らかにすることに役立ちます。
問題がないことを確認できた商品は、倉庫内に入れ、決められた棚に格納するなどしてピッキング作業に備えるものとします。

出荷検品の実施

ピッキングが行われた出荷予定の商品について、注文書に記載された内容と照らし合わせ、品目や数量が合致しているか確認を行います。ここでの検品ミスは、顧客への誤出荷につながるため、十分に注意して進めねばなりません。
商品に破損や汚損、傷がないかといった点も確認し、不良品が混在しないようにします。注文通りの正しい内容で商品がきれいに揃っていることを確認したら、梱包や送り状貼付など次の発送作業工程に渡しましょう。

EC事業者やショップ、商品そのものの評価や信頼性に大きく関わる重要な作業です。作業者らにはそのことを十分に認識してもらい、マニュアルに沿って正確な仕事を行うよう指導しておくことが大切です。

検品の重要性

検品は地味な単純作業でもあり、なぜそう丁寧に行う必要があるのかと考える方がいるかもしれません。検品が重要である理由は、次のような観点から説明することができます。

欠品の防止

入荷の際に検品を行わず、納品書に記された内容をそのまま在庫として計上していた場合、後になって現物の不足が判明し、顧客から注文を受けたにもかかわらず、品物がない「欠品」を引き起こしてしまう可能性があります。これは、仕入れ先からの納入数が予定個数よりも少なかったために発生するトラブルです。

入荷した商品の種類が違ったり、不良品・欠陥品が混じっていたりした場合も、注文を受けていざ出荷しようとして、正しく発送できる品物がないという事態に気づくということが起こりかねません。
このような場合、不良品の出荷や在庫切れによるキャンセル、配送遅延といった顧客への迷惑を生じさせてしまうことになります。これでは健全なECの運営は行えません。

在庫の状態を正しく把握し、欠品や紛失を未然に防ぐため、検品は重要です。入庫時の検品がきちんと行われていれば、問題があった際にも迅速に仕入れ先へと連絡を入れ、責任を明確化して急ぎ、対応してもらうことができます。

誤出荷の防止

出荷時の検品が正しく行われなかった場合、顧客の注文とは異なる商品をピッキングしてしまっていたり、数量に誤りがあったり、破損や汚損など品質に問題のある品が混じっていても、そのまま出荷してしまうことになります。

結果として、顧客からはクレームが寄せられ、信頼を著しく低下させることはもちろん、回収・再発送の手間とコストがかかってしまいます。精度の高い検品作業が行われてこそ、ECビジネスを堅実に継続させていくことが可能になるのです。

ECサイト運用の業務内容に関する記事はこちら

検品における課題と解決策

このように検品作業は正確な入出庫管理を行い、信頼されるショップとしてEC運営を続けていくため、非常に重要な作業工程といえます。しかし、単純ながら簡単な工程ではなく、課題を抱えてしまうこともしばしばあります。

ECの検品に多い課題

検品に関して、発生しやすい課題には次のようなものが挙げられます。

■検品ミスの発生

検品作業を行う上で、正確性は何より重要なポイントですが、ミスをゼロにすることはできません。基本的に人が目視で行うケースが多い作業であり、ヒューマンエラーによるミスの発生は避けられないリスクとして残ります。

多くの作業を行う中で、手作業による数え間違いや似た商品の取り違え、破損・汚損など不良品の見逃しといったミスが起こりえます。初心者だけでなく、ベテランでもミスを起こすことはあります。管理者はミスが起こる前提で対策を施すことが大切です。

ヒューマンエラーの発生頻度としてミスがあまりに多い場合には、マニュアルや規則がきちんと定められているか、作業方法を統一し丁寧に実行させる教育が行えているか、見直しを行うことも必要でしょう。また、集中力を維持しやすい環境となっているか、作業交代頻度や現場環境が適正か、チェックし必要な改善を施すことも重要です。

■コストの増加

検品作業において、とくにビジネス規模が大きくなると、人件費や設備費などのコストが増大しがちになります。時間や手間を要する作業が多く、検品すべき商品の量や種類も増えていけば、相応の人件費をかけなければならなくなるでしょう。作業スペースや保管倉庫の増床も必要となり、さらにコストが増していきます。

取扱量が増え、その分管理が複雑になれば、正確性にも一層の気を配る必要があり、そのために二重チェックを実施したり、専用機械など新規ツールを導入したりすれば、その分の人件費や設備費も新たなコストとして生じます。

ある程度のコスト増はやむを得ませんが、物流工程・検品作業にばかり予算をかけるわけにもいきませんから、費用対効果を検証しつつ、業務の見直しなどを進める必要があります。

■人手不足

物流工程は基本的に多くのリソースを消費する業務で成り立っていますが、検品作業も例外ではありません。機械やシステムの活用で、ある程度の効率化を図ることは可能ですが、大原則として人の目や手による確認が不可欠ですから、規模が大きくなるほど、人が行うべき作業量も増加し、人的リソースが多く必要になります。

専任の作業者を十分に確保し、配置できることが理想ですが、少人数でECビジネスを立ち上げている場合など、検品作業だけに従事する人を確保するのは難しく、他の業務との兼任で実施しているケースも多いでしょう。

しかし、検品作業はECを運用する上で、商品の仕入れ時と顧客からの注文時という、重要な2地点で必ず発生する業務です。他の業務の手を止めてでも、優先的に行わなければならないことも多い仕事といえます。検品の業務が遅延すると、倉庫管理や在庫管理がおざなりとなり、ビジネス全体に悪影響が及ぶほか、顧客に正しく商品を届けるまでのリードタイムが長くなり、自社やショップの評価を下げてしまうことになりかねません。

人手不足ながら遅延させるわけにもいかず、十分手が回らないために、本来はきわめて重要な検品作業を、兼任の作業者が適当に済ませるといった事態が続くと、精度や質が低下し、EC運営の継続が困難となるような重大インシデントを引き起こしてしまうリスクが大いに高まるでしょう。そうした事態を未然に防ぐべく、人手不足には、それが課題となる前に、きちんと対策を立てることが重要です。

検品作業を最適化する対策

検品作業は重要な工程であり、高い正確性でチェックを行う品質と、リソースを最大限に活用して迅速に処理する効率化の両立を図らねばなりません。この最適なバランスをとることが難しいために、課題を感じているEC事業者の方も多いと考えられます。

テクノロジーを用いたソリューションも様々に登場していますが、やはり人の手と目による確認作業も欠かせません。自社にとって最適な検品作業を実施するにはどうすればよいのか、代表的な対策方法をみていきましょう。

■マニュアル化の徹底

作業品質を平準化し、検品漏れなどをなくして効率良く、正確に流れていく体制を作るには、しっかりとしたマニュアルを作成、周知することが有益です。
作業の流れや確認の仕方に関して、それぞれ作業者のやり方が異なったり、品質チェックの水準にばらつきがあったりすると、全体の作業品質はどうしても低下してしまいます。作業時間も無駄に消費してしまいやすく、効率化や生産性の面でもマイナスです。

また、口頭指示にとどまるなど、明確なマニュアルがない場合、慣れによって自己流で作業手順を飛ばすといった作業者が出てくるリスクもあります。マニュアルを作成し、その遵守徹底を求めて改善を図りましょう。

マニュアル作成時には、まず何を確認するのか、チェックすべき項目を明らかにし、各商品の破損しやすい箇所や汚れ・傷の付きやすい箇所など重点的に検品すべき点を明示しておくこと、不良品とする基準を明確にすることなどを意識すると良いですね。

ただし、マニュアルで示す検品時のチェックリストが過度に詳細化し、作業が煩雑化すると、やはりヒューマンエラーを招きやすくなります。重要ポイントに絞り込んで、シンプルに示すことも心がけましょう。
そして作業手順とあわせ作業者に周知し、皆が同じ方法、同じ水準で検品を行えるようにマニュアル化を徹底します。これにより作業品質の安定化と効率化、属人化の防止が可能となります。

■検品作業のデジタル化

人的ミスの削減と効率化を両立させるには、作業のデジタル化が有効です。検品作業に人の手と目は不可欠ですが、この手作業であることが検品ミス発生の最大要因でもあります。現在、完全にアナログで作業を実施しているなら、システムや機器を導入し、デジタル化を進めることで、大幅な精度向上と人員削減、効率化を図れるでしょう。

バーコードやRFIDタグ、2次元コードなどをスキャンすれば、品目や数量を照合でき、データの保存・送信なども行えるハンディターミナルを活用したり、商材の入出庫管理・在庫管理などの機能が一括搭載されたWMSなどのシステムを導入したりすると、人による作業を単純化でき、効率良く質の高い検品も行いやすくなります。

人件費を削減できるメリットもありますが、一方でこれら機器・システムの費用が発生するため、事前に費用対効果を検証し、自社の課題や規模に合った導入スタイルを見極めましょう。

■物流としてのアウトソーシング

自社での検品に限界を感じている場合は、物流作業として一括アウトソーシングすることも選択肢になります。物流専門業者に委託すれば、検品も含めたEC物流の工程を、プロならではの安定した品質で代行してもらうことができます。

アウトソーシングのサービスを扱っている業者は、その道のプロですから、これまでの事例で培ってきた豊富な知見とノウハウを有しています。また、高度な専門機器やシステムを導入しているケースも多いため、自社では叶えられない高水準の精度とスピードで対応してもらえることが期待できるでしょう。

まとめ

検品は商品の品目や数量に誤りがないか、不良品の混在など品質に問題はないか、確認を行う重要な作業です。単純ながら高い集中力の維持が求められる工程であり、ミスが起こりやすいポイントでもあります。

検品ミスは、在庫の管理不良や誤出荷、納期遅延につながる問題であり、事業者として、ショップとして、また商品そのものの信頼度低下を招くもとになります。課題を抱えているなら、自社に最適な検品体制を見直してみることも必要です。運営体制の改善を図っていく上で、具体的なアドバイスが欲しいと思われる方も多いでしょう。そうした方には、ECのプロの利用をおすすめします。

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